陽の章 五禽戯


8 人体に陰陽がある

 
 男性が陽で、女性が陰です。男性は社交的で論理的、女性は家庭的で感情的、と分けることができます。もっとも、外交的な女性も、内向的な男性もいるのですが・・・

 一人の人間の中にも、陽と陰があります。右手は陽で左手は陰です。

 太極拳の表演者がステージ上であいさつするとき、左掌に、右手の拳(こぶし)をつけて合掌します。その拳の右手は陽(太陽)を、掌の左手が陰(月)を表しているのです。

 大脳は右脳、左脳に分かれます。右脳が女性脳、直観的な脳で、左脳が論理的思考をつかさどる男性脳であるといわれます。 手足の陰陽とは逆になります。右手は左脳の支配を受け、左手は右脳の支配を受けているのです。
 

 人体のどの面も「陰陽」に分けて理解することができます。体の前面は「陰」、背面は「陽」です。

 体の前面が「陰」といわれても、まず最初は意外な感じがするでしょう。まず普通の感覚で、体の前の部分は表、背中側が裏であると考え、表は「陽」、裏は「陰」、とすれば納得しやすいやすいでしょう。それは人間的な理解です。

 しかし人間は、人間である前に哺乳類です。体の造りは、犬や猫などの動物と大差ありません。犬や猫は四足で、背中が表で、胸が裏側になりますね。背中が太陽にあたり、「陽」で,胸やお中は「陰」になります。

 人体も背中側は日に焼ける部分、胸やお中は日に焼けにくい部分で、つまり、前面は「陰」、背面は「陽」なのです。


 
 [BACK][TOP][HOME] [NEXT]